リレーションシップ・マーケティング

関係のデザイン

ここまでの説明で、(1)ゆるやかな契約によって事後的に調整することによっても、(2)顧客の好みを理解し、顧客に合わせた対応をすることによっても、魅力的な関係はつくれることが分かった。また(3)フレンドシップを形成することで、心地よい関係を形成することも、ときとして有効であった。

魅力的な関係を作るには少なくとも3つの方法があるわけだが、大切なのは、いずれがもっとも効果を発揮するかを見極めることである。関係について論理的に考えることで「関係のデザイン」が可能となる。

企業は自社のおかれた環境でどの側面を強調していくのかを検討する必要がある。もちろんこれら3つの方法は、同時に組み合わせて用いることがでる。また顧客によって組み合わせを変えたり、あるいは顧客の成長段階によって変えていくという工夫も有効だろう。さらにポイント・システムや入会金のような、関係の終結を避けようとする「回避的」な動機づけを組み合わせることも可能である。

リレーションシップ・マーケティングとは、顧客との間に友好的で安定的な関係を築くものである。そしてこのためには、購買行動という表面的な現象だけでなく、背後に潜む「なぜ関係を大切に思うのか」という部分に注意を払い、顧客との関係を質的な側面からも検討していく必要がある。リレーションシップ・マーケティングは、一見すると簡単なように見えるが、きわめて奥深く、戦略的な意思決定を伴うものである。


リレーションシップ・マーケティングについて学ぶ

リレーションシップ・マーケティングは現代マーケティングの根幹をなす、大切な考え方の1つである。しかし残念ながら、リレーションシップ・マーケティングについて詳しく説明した日本語文献は必ずしも多くない。ここでは私の執筆した書籍と、雑誌へ寄稿したものを紹介しておく。

リレーションシップ・マーケティング:コミットメント・アプローチによる把握

リレーションシップ・マーケティングにご興味を持たれたら、こちらの本をお読みいただきたい。関係のマネジメントについて、より深く理解できるはずである。

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関係のマーケティングを解きほぐす

『AD STUDIES』第48巻(2014年夏)所収

リレーションシップ・マーケティングやブランド・リレーションシップといった「関係のマーケティング」について簡単に整理したものである。吉田秀雄記念事業財団の『AD STUDIES』への寄稿論文である。

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